Canon EOS5D MarkU
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☆EOS5D MarkU


eos5d2.jpg 〜EOS5D MarkUについて〜

 EOS5D(2005年9月末発売)の後継機です。5Dは,3年間というデジタル一眼レフにしては異例の長さで販売されました。というより,昨年秋発売のNikon D3や今年夏発売のD700が出てくるまで競争相手が居なかったのと,画質の面でなかなか追いついてくるデジ一がなかったので,3年間も持ったと言った方がいいでしょう。
 さて,3年の歳月を経て登場した5D MarkUですが,5Dからの買い換えなら文句の付けようがない,正常進化と言って良いと思います。5Dからの主な変更点は

  • 画素数    1280万画素→2110万画素
  • ダスト除去  なし→あり
  • A/D変換  12bit→14bit
  • 映像エンジン DIGIC 2→DIGIC 4
  • 常用ISO  ISO 1600→ISO 6400
  • ファインダー 96%→98%
  • 液晶モニター 2.5型23万画素→3.0型92万ドット
  • LV機能   なし→あり
  • その他新機能
    高感度撮影時のノイズ低減の設定
    高輝度側・階調優先
    オートライティングオプティマイザ
    周辺光量補正
    ISO感度常時設定(ファインダ内・表示パネル)
    液晶モニター クイック設定画面
    液晶モニター 明るさ自動調整
    バッテリー情報
    動画機能(フルHD)
といったところです。特に5Dで不満の多かった,
  • 液晶モニタが見にくい→
    3.0型92万画素VGAのモニターは明るくクッキリしていてきれいです。また明るさ自動調整もついていて見やすく改良されています。

  • ダスト機能の搭載→
    搭載しています。これで,安心して単焦点が使えます。

  • ISO感度を常時表示させて欲しい→
    ファインダ内,表示パネルに常時表示しています。

  • ファインダー→
    キヤノンにしては,頑張ったのではないでしょうか。クリアーで明るく,とても見やすいファインダーです。また98%の視野率は大きいです。

  • 周辺光量低下が目立つ→
    周辺光量補正である程度対応しています。

  • 防滴・防塵→
    5Dでも少々の雨程度なら問題がありませんでした。(当然,すぐに乾いた布で水滴はとらなければなりませんが…。)5D MarkUでは,カタログにも防滴・防塵機能がうたわれおり,5Dより防滴・防塵性能が上がっています。(ただ,1D系ほど完璧なものではないですが…。)確かに,全体的にカッチリしています。
といったところが,5D MarkUでは改良されており,今までのユーザー(5Dユーザー)にとっては嬉しい進化となっています。こういうところは,マーケティングの上手いキヤノンらしいと思います。
 今回5D MarkUに動画機能を載せてきました。それもフルHD画質対応でかなり綺麗な動画が撮れるみたいです。ただ,まだ過渡期の機能である事は拒めない状態で,イロイロな制約や使いにくい部分があるみたいです。「…みたいです。」と書いたのは,使ったことがないので…。デジタル一眼レフの動画機能については,賛否両論ありますが,あっても困る機能ではないので,使いたい人が使えばよい機能だと思います。



〜購入経過〜

 私はEOS 5Dを所有者しており,後継機種のMarkUが9月末に発表されてからずっと購入を考えていました。ただ,早ければ5D購入3周年記念の来年の3月,まぁ順当に行くなら来年の夏のボーナスぐらいには欲しいと思っていました。そのため,発表と同時に先行投資の意味で,コンピューターをのメモリーを2Gから3Gに増設しました。

 11月29日発売以来,品薄状態が続き,やはり購入は5D購入3周年記念の来年の3月が濃厚かなと思っていたところ,例の「黒点問題」とバンディングノイズの発生が…。自分の使用法ではイルミネーションのような,明るく小さな光源をデジタル一眼で撮ることがほとんどないし,sRAWは使わなければいいので問題はないです。
 キヤノンの発表ではこの2つの問題をファームウェアの修正で改善すると言っているのですが,ひょっとしたらノイズリダクションを強めにかけて消すのではないかという情報があり,そのため解像度が落ちるという噂もあります。この2つの問題以外は,画質的には「とっても良い!」という評判なので,その点が気がかりでした。

 そんなことを考えていた,12月19日。その日は職場の忘年会でした。職場を出られたのが5時で,会は6時半からなので,名古屋の繁華街「栄」をブラブラとしていました。トップカメラに入ってカメラコーナを見ると,5D MarkUが展示されていました。その上に「在庫あり」の文字が…。「どうしよう…」と思いながら,時間がきたので会場に向かいました。
 家に帰り,購入できる今がチャンスかな?と思えてきました。2つの問題(「黒点問題」とバンディングノイズの発生)は自分の使用方法においては全く問題なく,その対策品における画質低下の方が気になります。そのため,対策品が出る前に購入するのもありかなと思えてきました。(もしファームアップの結果,画質低下が起こればファームアップしなければいいし,画質低下が起こらなければファームアップすればいいので…。)

 翌日の20日,やっぱり購入してしまいました!5D MarkU!さらに,前々から欲しかったレンズEF35mm F1.4L USMも購入!さらに,さらにPhotoshop CS4も購入!!ボーナスも貯金もスッカラカンです。
 朝起きて,まずは5D MarkUを購入することを決めたのですが,よく考えてみると,来年は給料・ボーナス共にかなりのカットが予想されていて,ボーナス満額出る今年が欲しい物を買えるラストチャンス!というわけで,前々から欲しかったEF35mm F1.4L USMも購入することに。さらに,Camera RAWも使うかもということで5D MarkUが対応しているPhotoshop CS4も購入しました。



☆私のEOS5D MarkU使用法

記録画質
RAW+JPEG M(FINE)
ホワイトバランス
オート
測光モード
評価測光
状況に応じて中央部重点平均測光やスポット測光
ピクチャースタイル
・基本的にはNew Standard(詳細設定はデフォルト)
・状況によりニュートラル(詳細設定をシャープネス+3 コントラスト+1に変更)
 風景(詳細設定はデフォルト)を使用
・ユーザー設定としてNew Standard,AUTUMN HUES,P-SNAPSHOT
周辺光量補正
基本的には「する」(状況により「しない」)
色空間
sRGB
AFモード
ONE SHOT AF
ファインダースクリーン
(フォーカシングスクリーン)
Eg−D
縦横自動回転表示
する(パソコン画面のみ)
ドライブモード
1枚撮り
液晶の明るさ
手動 4
画像番号
通し番号
オートパワーオフ
15分
カスタム設定

・CFU
 ☆CFU-1 1長時間露光のノイズ低減 自動
 ☆CFU-2 1高感度撮影時のノイズ低減 弱め(状況により0 標準) 
 ☆CFU-3 0高輝度側・階調優先 しない(状況により1 する)
 ☆CFU-4 1オートライティングオプティマイザ 弱め(状況により3 しない)

・CFV
 ☆CFV-6 0ミラーアップ撮影 しない(状況により1 する)
 ☆CFV-7 1AFフレームの領域拡大 する
 
・CFW
 ☆CFW-3 1SETボタンの機能 記録画質選択
 ☆CFW-5 1フォーカシングスクリーン Eg-D


※残りは初期設定のまま。


 「岩村」に5D MarkUと5Dを持って撮影に行って来ました。5D MarkUの試し撮りと,5Dとの撮り比べが主な目的ですが,今回新しく買ったEF35mmF1.4Lも持って行き,こちらの試し撮りもしました。(撮り比べて画像は「ここ」にあります。)
 画質の上で5Dと5D MarkUを撮り比べて感じたのは,ピクチャースタイルが同じにしてあるのですが,5D MarkUの方が色合いが濃い感じがします。また,5Dに比べてシャープのかけ方が弱い気がします。(2100万画素を等倍で見たときの感覚なので,そう思えるかも知れません。)そのため,ピクチャースタイルのニュートラルを使用するときは,詳細設定の色の濃さを5Dに比べて1つ下げて,シャープネス+3 コントラスト+1 色の濃さ 0に変更して使用しています。また,ホワイトバランスの設定の関係か,5Dに比べてMarkUはややマゼンダに振られているように見えます。(5Dは黄色に振られる傾向がありますが…。)そのため,5D MarkUの方が透明感が高いように感じます。
 5Dと5D MarkUを撮り比べて一番良く感じたのは,ファインダーの進化です。キヤノンにしては,頑張ったのではないでしょうか。クリアーで明るく,98%の視野率は大きいです。100%のファインダーに拘る人が出るのも分かったような気がします。もちろん,液晶モニターも全然違いますが…。
 とにかく,5D使用者なら全てに進化を感じることが出来ると思います。私自身,5Dと併用しようと思っていましたが,ほとんど引退状態になりそうです。
 まぁ欠点もあるわけで…。シャッターのフィリングは5Dの方が好きですね。それに,思っていたよりは重くはありませんでしたが,それでも,2100万画素データーは大きいですね。

 5D MarkUのRAWデーターの現像を色々なソフトでやってみました。2100万画素ファイルは,思っていたほどではありませんが,コンピューター環境を5Dに合わせて揃えたのでギリギリといった感じですね。心配していた「SILKYPIX Pro」でのRAW現像ですが,CPUがPenD 940(3.20 GHz),メモリー3GのXP機で処理させたのですが,画像調整の段階では問題なし。ストレスなくこなせます。現像については,それなりに時間がかかります。DPPは軽いので,サクサクと処理してくれました。自分の使用法では,5Dで使っていたコンピューターが問題なく使えてホッとしています。(ただ,5D MarkU購入を見越して,メモリーを2G→3Gにパワーアップしていますが…。)

・コンピューター環境
  OS…Windows XP Home Edition SP3
  CPU…PenD940(3.20GHz)
  メモリー…3G
  グラフィックカード…GeForce7900GS

 RAWファイルを6枚現像したときの時間を書いておきます。一応の目安になればと思います。

・RAW現像(6枚現像)
  DPP…5D MarkU 16bit TIFF 132秒/JPEG 125秒
      5D     16bit TIFF 62秒/JPEG 60秒

  SILKYPIX Pro
     …5D MarkU 16bit TIFF 256秒/JPEG 278秒
      5D     16bit TIFF 118秒/JPEG 130秒

 ちなみに1枚で考えると,16bit TIFFだとDPPで22秒,SILKYで43秒といったところです。JPEGだと,DPPで21秒,SILKYで46秒といったところです。まぁ現像予約コマのバッチ処理で放っておけば言い訳なので,まぁ何とかなると思います。




〜高輝度側・階調優先機能〜

 高輝度側・階調優先機能の効果をこの機能が搭載されている5D MarkUと非搭載の5Dで比較してみました。

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EOS 5D 高輝度側・階調優先なし
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EOS 5D MarkU 高輝度側・階調優先あり

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EOS 5D 高輝度側・階調優先なし
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EOS 5D MarkU 高輝度側・階調優先あり

 白壁やなまこ壁に注目してもらうと分かると思いますが,白飛びが高輝度側・階調優先機能によってよく抑えられています。また,上の写真の,青空の部分が白飛びせずよく残っているのも分かると思います。


《追記》

 2010年11月の「OLYMPUS E-5」購入を機会に,5D系の画像設定を変えました。E-SYSTEMと5D系のJPEG画像の統一感を出すため,ピクチャースタイルを「ニュートラル」からやや色のりの良い「New Standard」に設定を変更しました。
 また,オリンパスのE-3やE-5でSAT(シャドゥ・アジャストメント・テクノロジー)を用いた階調「オート」を使っている関係で,オートライティングオプティマイザ゙を「OFF」から「弱め」に設定を変更しました。オリンパス機のSATは,どんな時も,とにかく強力にシャドウ部を持ち上げるのに対して,キヤノン機の方は,必要に応じてある程度シャドウ部を持ち上げるという感じです。ですからキヤノン機の場合,シャドウ部を持ち上げないときもあるし,持ち上げてもオリンパス機よりも穏やかです。また,オリンパス機のSATはシャドウ部持ち上げのみが目立ちますが,オートライティングオプティマイザ゙はハイライト部の調整もしてくれます。ただ,オートライティングオプティマイザ゙もSATも,ともすると画像全体が平坦な感じになることもあるので,RAW現像して作品化するときには,オートライティングオプティマイザ゙を「しない」にした場合も必ず試すようにしています。

2008.12.29
2010.12.16追記



 「黒点問題」と「sRAWにおけるバンディングノイズの発生」対策のファームウェア(Ver.1.0.7)が出ました。ファームアップした人の報告を見て,問題点はほぼ解消されたみたいです。さらに,巷で不安視されていた解像度や画質低下も見られないとのことなのでファームアップしました。早速試し撮りしてみましたが,私の使用法では,ファームアップ前(Ver.1.0.6)と後(Ver.1.0.7)での解像度・画質低下は感じられませんでした。ただ,今回のファームアップの目的であった,「黒点問題」と「バンディングノイズの発生」に関しては,まだそのような場面での使用をしていないので効果は分かりません。
 価格.comの掲示板にかなり細かく調べた人の報告が乗っていて,
  • 黒点問題は新ファームでは全く問題無いレベルに改善されていて,メーカーの改善というのは謙虚な言い方で,ほぼ解決と言っても良い感じである。
  • 解像度チャートでの解像度が新旧ファームとも変化がないので,新ファームウエアで解像がスポイルされることはなかったようだ。
と書かれていました。
 今回のファームアップがノイズ処理などの画像処理の変更ではなく,「CMOS制御の最適化」で対応したため画質への影響はないそうです。また,メーカーが「解決」と書かなかったのは,黒点が出そうな意地悪な設定・状態でイルミネーション約1000個を撮影すると,数枚に1枚程度の割合で1,2個黒点が出るそうです。(旧ファームでは1枚に800個ぐらい出るような撮り方だそうです。これを検証した人は,これぐらいの頻度だと探すのがおっくうになり気にならないのではと言っていました。)そのため,「改善・軽減」の表現になったそうです。デジタルになって少しでも問題点が出ると大騒ぎするする人がいますからね…。
 まぁ,ファームアップで問題点はほぼ「解決」し,解像度・画質低下もないので安心して使えますね。

2009.1.11



 6月末にEOS5D MarkVを購入しました。5DVではインテリジェントビューファインダーを利用してグリッド表示しており,これが結構便利です。そこで,5DUにもファインダーにグリッド表示をさせようということで,方眼フォーカシングスクリーン Eg-Dを購入して取り付けました。結構良い感じで,簡単に水平が出せるようになりました。見え方も,今まで使っていたEg-Aと方眼線がついた以外は変化なし。これなら,もっと早く取り付けたおけば良かった。

2012.7.7



 EOS5D MarkVをもう1台購入したため,5年半使った5DUをトップカメラに売却しました。今,5DUが高騰しているらしく,思ったより良い値段(89000円)で売却できました。売却して得たお金の一部(大半ですが…)で,SIGMA DP2 Merrillを購入!結局,5DUが変態カメラのDP2 Merrillに変わっただけでした…。

2014.6.14




EOS 5DとEOS 5D MarkUの比較画像を載せてあります。

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EOS 5D MarkUのスペックについて詳しく書いてあります…

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