DiMAGE A1
☆DiMAGE A1 
〜DiMAGE A1について〜レンズ交換式一眼レフをラインナップに持たないミノルタ（正式にはコニカミノルタですが，この方が言いやすいので，ミノルタでいきます）のデジカメの中において，フラッグシップ機がこの「DiMAGE A1」です(2003年11月19日現在)。このカメラは，レンズは交換できませんが，レンズを通してCCDに写った映像を，一眼レフみたいにファインダーで確認出来る仕組みになっています。（電子ビューファインダー。しかも，視野率100％。）このカメラの一番の特徴は，総画素数約530万画素2/3型CCDの高画質と，28-200mmという高倍率ズームの割にはF2.8-3.5という比較的明るいレンズと手ぶれ補正付きにつきると思います。 ただ，ほぼ同時期にキャノンからレンズ交換式一眼レフ「kissデジタル」が発売されたため，そちらに人々の目がいってしまったのも事実みたいです。それは，kissデジタルの破格的な値段のためだと思います。今まで敷居が高かったレンズ交換式一眼レフが，本格撮影用コンパクトタイプ（レンズ一体型）とほぼ同じ10万円台前半で購入できるのだから，人々が飛びつくのも分かるような気がします。ましてやDiMAGE A1は，本格撮影用コンパクトタイプの中でも高価な方であり，私の購入した11月上旬の販売価格の相場では，kissデジタル本体だけだったら，DiMAGE A1より１万円弱ぐらい安いです。また，DiMAGE A1の値段に１万円弱足せば，EF-S 18-55mm付きのレンズキットセットが買えます。 ただ，DiMAGE A1が高いかというと，そういうわけではないと思います。それは，使ってみるとわかります。明るく，常用域の焦点域をすべて網羅したレンズと手ぶれ補正だけ考えても，決して高くない！ と思います。本当にいいデジカメなんですけどね…。（贔屓目が入っています。ただ，レンズ交換なしで気楽に使えるというのは，本当にありがたく感じます。明るいと撮影領域が広がるし，手ぶれ補正にによってもっと広がるわけですので…。） 〜購入経過〜 １０月は，毎日，腹の立つことの連続で，ストレスの貯まる毎日…。ついにやってしまいました！ストレス発散の衝動買い！ 今回の衝動買いは，デジカメです。事の発端は，昼食の時に入った店でたまたま読んだ，「Get Navi」という雑誌のデジカメ特集の記事です。Sonyのサイバーショット828の記事を見て， 「…ウムウム，800万画素４色CCDにカールツァイTコーティングで，28-200mm F2.0-2.8の高倍率ズームで明るいレンズ！値段も，実売予想価格で12万8千円か…。12月中旬発売か…。」 その横には，パナソニックのDMC-FZ10の記事が。 「１２倍ズームで全域F2.8！それも，ライカのレンズ！さらに，光学手ぶれ補正付き！画素数は，個人的には300万画素以上あれば十分と考えているので，400万画素あればおつりがくる！この内容で，値段も７万円弱ならいい値段だな…。」 と思ったら最後！今持っていCAMEDIA 2000zoomは，写りに関しては今でも通用するが，何せ200万画素では，ちとつらい！そこで，新しいデジカメが欲しい→欲しい→このところ，ムシャクシャして，腹が立つことが多い→ストレスが貯まる→自分にご褒美を！→デジカメ買おう！，ということでいきなりデジカメ購入が決定しました。 Sonyとパナソニックの製品をきっかけで欲しくなったのですが，SonyはSonyタイマー付きの製品に当たると嫌ということと（という私は，初代ドデカホーンCD，？代ドデカホーンCD，ビデオデッキ２台と，今まで買ったSony製品全てが，Sonyタイマー付きで，保証書がきれる１年後ぐらいから壊れはじめ，３年をめどの買い変える羽目になっているという，Sony製品運がない人間なので，Sony製品は，避けて生きています…），Sonyにもパナソニックにもいえるのですが，家電メーカーが，有名レンズメーカー（カールツァイやライカ）の名前を使って，製品の価値を上げるのは何となく好かないので，この２社はパス！ やはりカメラはカメラメーカーということで，今まで2000zoomで使いなれていて，操作系もある程度継承されているキャメディアC5050をターゲットに！ キャメディアは，C5060という新型が出ていますが，キャメディアの一番の特徴（と，私は思っている）である，明るいレンズが，新型では思いっきり暗くなっている上に，形も変なのでパス！それに，C5060という新型が出たことで，C5050は型落ちになり７万円台まで下がったのでほぼ決まりという感じで，昼食場所を出ました。 銀行でお金を下ろし，カメラ店へ…！カメラ店を出た時には，なぜか青っぽい箱にコニカ・ミノルタのマークが…！DiMAGE A1を買ってしまった。だいぶ予算がオーバーだが，ミノルタ製だから，レンズは悪くないだろうし，28-200mm F2.8-3.5という高倍率ズームの割には比較的明るいレンズと手ぶれ補正付き，まぁ，おまけに私にはそれほどいらない500万画素！ということで購入しちゃいました。値段は名古屋では安い方だと思う，118,000円也。2000zoomをハードオフで5000円で売ったので，実質113,000円と消費税でした。（まぁ，その他，512MBのCFカードや，予備のリチウム電池１個，AC電源アダプター，ケンコーのMCプロテクターも購入したので，金額はもっとかかりましたが…。） さてここで，お気づきの方もいると思いますが，なぜkissデジタルにしなかったのか？本体だけだったら，DiMAGE A1より安いです（１万円弱ぐらい）。私は銀塩の方はキャノンを使っています。ですから，キャノンのデジタル一眼レフに相性がいいとよく紹介されている28-135mmISや，デジタル対応の70-200mmIS，デジタルには相性が悪いけれど28-70F2.8，まぁ広角としては弱いですが，単焦点の20mm（kissデジタル装着時で32mm）といった，一応撮影に困らない程度のレンズを持っています。よって，本体だけでも撮影に支障はありませんが，まぁ広角側が弱いので，EF-S 18-55mm付きのレンズキットセットを買っても，DiMAGE A1の値段に１万円弱足せば買えます（１万円ぐらいの追加なら何とかなるし…）。ただ，kissデジタルはまったく考えていませんでした。 それは，カメラに対して，銀塩は，レンズや絞りなどを考えたりしながら楽しみたいという考えなのに対して，デジカメは，気楽に使いたいと考えているからです。自分の撮影パターンだと，使うレンズの焦点距離が28-200mmの間です。DiMAGE A1はレンズ固定式ですが，すべての領域をまかなえます。kissデジタルは，どう組み合わせてもレンズ交換が必要です。ですから，気楽に撮影を楽しむというと，DiMAGE A1の方があっています。あと，28-200mmの全ての領域で比較的明るく，手ぶれ補正も付いているので，使い勝手も良さそうだと思えました。kissデジタルだと，レンズの焦点距離が1.6倍見当になるため，自分の持っている手ぶれ補正レンズ(IS付き）の恩恵が受けられるのは，35mm換算で焦点距離45mm以上の時だけです。こう考えると，自分の写真スタイルを考える上で，バランスが良かったのがDiMAGE A1ということになったのです。あと，レンズ一体型デジカメの中では，大きくて重い方ですが，一眼レフに比べると適当にコンパクトで，持ち歩いたり撮影したりする時に適度な大きさと重さであるボディーも魅力だと感じました。 ちなみに，はじめのターゲットのキャメディアC5050は，評判はいいのですが，DiMAGE A1の手ぶれ補正の誘惑に負けたのと，2000zoomとの変わりばえしない外観（最初はそこがいいと思っていたのですが…）に購入をやめてしまいました。 〜DiMAGE A1の長所〜 長所は，何といっても「28-200mm F2.8-3.5という高倍率ズームの割には比較的明るいレンズと手ぶれ補正付き，それに，500万画素の高画質！」につきると思います。画質については，高画質だと感じさせる解像度で，くせのない自然な発色です。ただ，このくせのない自然な発色のため，彩度の高いデジカメらしい発色を期待すると，ちょっと地味に思えるかもしれません。 夜間撮影において，ノイズがよく出るという記事を読んだ覚えがあります。本当はどうなのでしょうか？私自身，ほとんど日中しか撮影しませんので，よく分からないのですが…。（最も暗い状態でも，夕暮れ時ぐらいです…。）ただ，日中の撮影なら，ノイズの心配のない綺麗な画像が撮れます。 あと使ってみて便利に思えたのが，電子ビューファインダーです。今までデジカメは，液晶モニターを見て撮影していました。このDiMAGE A1では，EOS-3と同じようにファインダーを見て撮影し，液晶モニターは確認用に使っています。（液晶モニターを見て撮影すると，何となく構えにくいと思っていたのですが，やはりファインダーで見て構えると，撮影がやりやすく感じます。たぶん，慣れの問題だと思うのですが…。） その他，コントラストや彩度，フィルター効果がカメラで調節できるデジタルエフェクトコントロール（DEC）は便利です。色のりのいい絵が欲しいときには，カラーモードをビビッドにして，彩度を＋１で使っています。あと，フレックスフォーカスポイント(FFP)も便利です。十字キーを使って，画面上の好きな場所にフォーカスポイントを移動させる事が出来る機能で，AFが思い通りにならない時や，自分の好きな場所でAFをかけたい時便利です 〜DiMAGE A1の短所〜 正直言って，４年前の200万画素機から買い換えの私にとっては，あまり欠点は見えないのですが…。（でも，2000zoomは当時はものすごく評判が良かったのですよ。画素数以外は，今の普及機よりは，レンズが明るくていい画質だと思うのですが…。）それでも，気づいたことを。 まず気づいたのは，高倍率ズームなので仕方がないのかもしれませんが，ﾜｲﾄﾞ側のタル型歪曲が目立つような気がします。（私の作品の 作品38「Ｓ☆Ａ☆Ｉ☆Ｒ☆Ｏ」を横にすると分かりやすいです。） 次に感じたのは，DiMAGE A1のAFは，思い通りにならない時はなかなか言うことを聞いてくれないということです。合う時は，合うんですけどね…。当たり前ですが…。はじめての多測距点AFカメラが，視線入力機能があるEOS-3でしたので，自分の思い通りの場所にピントが合うのが当たり前という感覚でいました。それに比べると，ピントが合うスピードは速いのですが，思い通りという点では，あと一歩のような気がします。ただ，フレックスフォーカスポイント(FFP)を使うと，結構この不満は解消されます。風景とかには，この機能はメチャクチャ使えます。 ただ表示部の完成度は，あと一歩かなと思います。まず，明るいところでは使いやすい電子ビューファインダーですが，暗いところになるとイマイチです。それに，ピント合わせにはあまり使えません。せいぜい構図決めぐらいだと思った方がいいと思います。また，液晶モニターでのピント確認はあまり当てになりません。倍率を上げて確認するのですが，ピントが合っていないように見えるのです。しかし，家に帰って，パソコンのディスプレー上では，きちんとピントが合っているのです。 あと，雑誌からの受け売りですが，夜間撮影においてノイズがよく出るという話しもあります。（自分は夜間撮影をほとんどしないので確認していませんが…。） 〜実際の撮影では？〜 DiMAGE A1は，EOS-3に28-70と70-200ISのレンズを組み合わせたのと同じ，28-200mmでF2.8−3.5（望遠域では半絞り暗いですが…）のレンズが付いています。さらに，全域手ぶれ補正が付いてきます。（EOS-3は，70-200ISにしか手ぶれ補正が付いてこない。） もし，EOS-3に28-70と70-200ISのレンズを組み合わせた時には（ケースとして70-200ISのケースを持参），重さが全部で約3.4kgになります。ちなみに，カメラにレンズを付けた時だけの重さだけでも，EOS-3に28-70を付けた時の重さは約1.7kg，70-200ISの時は約2.3kgになります。A1はというと，約600ｇのみです。はっきり言って軽いし，楽です。奈良県の室生寺に撮影に行った時，奥の院まで行くには，かなり急勾配で長い階段を上っていかなければならないのですが，EOS-3を持って行った時に比べて，やはり軽くてものすごく楽に感じました。 重さだけでなく，レンズ交換の必要がないというのも，とても便利です。EOS-3の時は，70mmを境にレンズを交換しなければなりません。これが，結構面倒くさくて，シャッターチャンスを逃す原因になるのです。A1の場合，その必要がなくて，一気にズーミングも可能なので便利です。あと，自動追尾AFは結構便利で使い物になります。 デジカメで便利だといつも思うのは，露出や補正の結果がモニターで確認してから撮影できることです。（先代のCAMEDIA 2000zoomにもこの機能がついていました。）そのため，露出面の失敗はあまりないです。この機能を利用して，銀塩で撮る前に，デジカメで仮撮影をする人もいると聞きました。 DiMAGE A1の画質自体は，細かいディテールまでよく再現しており，さすが500万画素！という感じです。ただ，色合い（発色）については，基本的には画像補整をして，撮影者各自の好みの画像を作ることを前提とした色合いだと思います。また，カメラのチューニング自体そういうふうに設定しているようです。ですから，補正しても破綻が少なく，粘り強い画像だといわれています。（ｶﾗｰﾓｰﾄﾞsRGB（ﾅﾁｭﾗﾙ）時） 私は，普段のカメラ設定を，カラーモードsRGB（ナチュラル）にしています。うまくはまったとき（例えば，光が多くて，条件がいいといった時など…）には，補正しなくても，色のりがよく，綺麗な画像が撮れます。特に人物は，きめ細やかさがこちらに伝わってくるような，そんな感じの画像になります。 ただ，光量が少ないとき（例えば，ちょっと暗めの曇天で，フラッシュをたかない時など…）には，地味な感じになります。この場合，画像補整が必要になるのですが，「DiMAGE Viewer」の「ﾄｰﾝｶｰﾌﾞ・ﾋｽﾄｸﾞﾗﾑ補正」の自動設定でほぼ思った通りの画像になります。この自動設定を行っても，少し不満を感じるときもありますが，そんな時は，微調整をしてやれば，ほぼ思い通りの画像になります。 〜DiMAGE Viewer〜 DiMAGE A1付属の多機能画像ソフトが「DiMAGE Viewer」です。このソフト一本で，パソコンに取り込んだ写真を「管理」「保存と加工」「修正」「印刷」ができる，結構優れもののソフトです。特に画像補整は，ミノルタのフィルムスキャナソフト（DiMAGE Scan）とほとんど同じなので，今までミノルタのフィルムスキャナ一本（前はDualUで今は5400）で使ってきている私にとって，違和感がなくて，とても扱いやすいです。特に，補正の途中経過をスナップショットとして残せるのが，とても便利です。スナップショットボタンを押すごとに，画面左側に，その時の補正状態が記録されているサムネイルが表示されます。何枚かスナップショットのサムネイルを作ることが出来るので，補正のいくつかの段階でスナップショットを作っておき，気に入った補正の段階のサムネイルをクリックすると，そのスナップショットを作成した状態まで戻ることができます。あと，トーンカーブ・ヒストグラムの両方を同時に表示し，両方を連動して補正できる「トーンカーブ・ヒストグラム補正」も便利です。 少し使いにくいなと思うのは，トリミング機能がないことです。変わりに，選択範囲を設定し，その中を保存したり，プリントすることが出来るので，それがトリミングの変わりとなっています。選択範囲は大きさや枠の移動も簡単に出来るので，ほとんどトリミングと同じなのですが，やはり，切り抜きが出来ないのは，構図なんかを考える時には少し不便さを感じます。 個人的には，ミノルタの画像補正ソフトはフィルムスキャナーで慣れていることもあり，基本的には使いやすいソフトだと思います。特に補正の微調整の時には，トーンカーブが省略された「Photoshop Elements 2.0」よりはずっと使いやすいです。このソフトを使うことで，DiMAGE A1関係の管理・修正・保存・印刷はすべて簡単に行うことが出来ます。 ２００３．１１．２３ |
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