Cyber-shot DSC-RX10
☆Cyber-shot DSC-RX10 
〜DSC-RX10について〜デジカメの中では大きめの外観に，（比較的）大きな素子を搭載した「ネオ一眼（ハイエンドデジカメ）」と呼ばれている機種です。「ハイエンドデジカメ」「ネオ一眼」以外にも「ブリッジカメラ」と呼ばれることもあります。 「ハイエンドデジカメ」「ネオ一眼」は，2003〜2004年に最盛期を迎え，当時ほとんど全てのメーカーがフラッグシップ機として発売していました。普通のデジカメより大きな外観に，大きな素子(2/3型CCDが多かった），28〜200mmを中心とした日常使うのにちょうどいい焦点域を網羅したレンズ，値段も発売価格で１０〜１６万円と高価なものでした。ただ，最盛期の2003〜2004年はデジ一の普及機の発売と重なり，瞬く間にデジ一に取って代わられ，2005年にはほとんど消えてしまったカテゴリーです。 FUJIFILM機以外では，ほとんどのメーカが2004年末以降出しておらず，ソニーが2005年11月に出したCyber-shot DSC-R1という機種がFUJIFILM機以外では最後になります。ただこれは，デジ一と同じAPS-Cサイズの素子とハイエンドデジカメを合体したような性格のカメラで，デジ一とハイエンドデジカメの中間のようなカメラでした。 ハイエンドデジカメが瞬く間にデジ一に取って代わられた理由は，その頃出始めたデジ一の普及機と値段がさほど変わらず，「同じ値段なら，素子が大きいのでボケが得やすく，高感度ノイズも少ないデジ一の方が魅力的だ。」ということから，一気に萎んでしまい，ほとんど消えてしまったのです。そんな中で唯一このカテゴリーを守り，最後まで一人で「ネオ一眼」を頑張って出していたのがFUJIFILMでした。 かつては「ハイエンドデジカメ＝ネオ一眼」という感じだったのですが，RICOH GR DIGITALの登場により，ハイエンドデジカメはネオ一眼とは違った方向に進んでいきます。比較的大きな素子(APS-Cサイズや１インチサイズ，2/3〜1/1.7サイズ）にこだわりのレンズ(単焦点レンズや明るさに拘ったレンズなど）を着けて，普通のコンデジより高めの値段設定で売り出した機種をハイエンドデジカメと言うようになりました。RICOH GRやSIGMA DPシリーズ，SONY RXシリーズ，COOLPIX A，オリンパスのXZ-2，FUJIFILM Xシリーズなどがそれに当たります。(あと，キヤノンのPowerShotGシリーズやニコンのP7000シリーズもこれに入るといえば入るかな…。）ただ，従来の「ハイエンドデジカメ＝ネオ一眼」と言えるのは，FUJIFILMのX-S1ぐらいしかなかったのが現状でした。ところが，今年の10月末に，SONYがRX10を，OLYMPUSがSTYLUS 1を立て続けに発表し，2003〜2004年に最盛期を迎えた後，絶滅一歩手前だった「ハイエンドデジカメ」がゾンビのように復活してきました。（一時的なものかもしれませんが…。） そういう訳で，Cyber-shot RX10は，2003〜2004年の頃の華やかなりし「ハイエンドデジカメ」が，2013年に（ゾンビのように）復活した機種です。 SONY製ということで，Cyber-shot DSC-F828(2003年12月19日発売)やDSC-R1(2005年11月18日発売)の再来と言われることが多いですが，個人的にはミノルタのDiMAGE Aシリーズの後継機としての色合いが強いと思います。ミノルタ（コニカミノルタ）のカメラ部門は，ご存じの通りSONYに吸収されたので当たり前のことと言えば当たり前なのですが…。DiMAGE Aシリーズの後継機だと言える特徴は，
といったところでしょうか。あと，機能や設定の名称，操作性がDiMAGE Aシリーズを継承している部分が多く，ミノルタの血が濃く反映されているなと感じました。当然，SONYの技術の継承もされてるので，当たり前のことになりますが，DiMAGE AシリーズとSONYのハイエンドデジカメ機の良いとこ取りの機種といえます。 〜購入経過〜 SONYからDiMAGE Aシリーズの後継機A3と言ってもおかしくない，RX10が出るという記事を見て欲しくなりました。SONYはミノルタのカメラ部門の受け入れ先（ほとんど人は残っていないそうですが…）で，ようやくDiMAGE A3…改めRX10を出してくれたので，まぁ，購入するしかないでしょう！という訳で，10月後半から購入の準備を始めました。 私とDiMAGE Aシリーズの付き合いは，DiMAGE A1を発売１ヶ月後の2003年11月に購入したことから始まります。2006年3月にEOS5Dを購入するまでは，デジタルカメラのメインとしてあらゆる場面で活躍してくれました。ただ，2006年に5Dを購入し，本格的な撮影には専ら5Dを持ち出すことばかりになり，DiMAGE A1は記録用の撮影のみの使用になりました。記録撮影用と考えると，本格的な撮影をするときにはしっかり受け止めてくれたボディーが大きすぎるのと，JPEG撮って出しでは緑被りがひどくて，どうしてもRAWで撮って１枚１枚調整して現像しなくてはならないので，しだいに使わなくなりました。 それでも，2007年12月までの４年間使い続けていたのですが，GR DIGITALUを購入し，妙にカバンに入る高性能カメラに拘るようになり，DiMAGE A1を売却しました。そこで，5Dと同じキヤノンで，サブ機としても使いやすいだろうということでPowerShot G9を購入しました。すぐにA1を売却したことをものすごく後悔しました。A1を売ってしまい手元にないと，A1の有り難さが身にしみて分かるわけで…。もう一度A1を手元に戻したいと思ったのですが，中古で買うのは…。 そんな時に発売されたのが，FUJIFILMのFINPIX S100FSです。大きさはむしろA1より大きいですが，
そんな訳で，A1を売却してからずっと後悔が続くこと３年半…，ソフマップで中古のDiMAGE A2を見つけました。その時，店には２台展示されていて，１台は16800円，もう１台は14800円でした。それも，16800円の方のコンディションは良さそう…。ただ，その時は時間が無かったので，買わずに店を後にしました。 まぁ，20000円ぐらいは何とかなるので，購入することに決定！多少の欠品はあるが，なくても影響のない物ばかりなので，コンディションの良い16800円の方を購入することに決定。次の週に買いに行ったら，値段が2000円下がって148000円でした。(14800円の方は12800円になっていました。） 購入したDiMAGE A2ですが，外装や液晶に傷一つ無く，レンズも問題なし。実はA1用の花形フードとA2用では型番が違うのですが，メーカー名がMINOLTAかKONICA MINOLTAの違いだけでした。(同じレンズなので当たりまえか…。）使用回数も最初に撮った１枚が"PICT1620"だったので，この数字を信じれば，前オーナーさんは1619枚しか使ってなかったことになります。ただ，使ってみた気づいたのは，後ダイヤルがだいぶへたっていて，使えないわけではないのですが，動かすと，数字が途中であっち行ったり，こっち行ったりと飛びまくります。まぁ，７年前の中古ですし，メーカー自体もカメラから撤退して５年以上経っているので，諦めて使うしかなさそうです。 こうして，DiMAGE A1を懐かしみ中古でA2を購入したのですが，SILKYPIXでRAWファイルを追い込んで現像すれば画質的には今でも通用するのですが，やはり９年以上前の機種は使いにくく，持ち出す機会がほとんどなく，防湿庫の肥やし状態でした。それに，RX10を購入したら，同じようなカメラを２台あっても使わないと思うので（ましてや，９年前…），２年半所有していたDiMAGE A2をハードオフに売却しました。 こういう古いデジカメでそれなりの銘機の場合，カメラ専門の買い取り店に持っていく方が良い値が付くのですが，面倒臭かったので，近くのハードオフに…。まぁ，値段が付かないと思っていたのですが，査定担当の女性が「古い機種なのに，綺麗で完動品なので，査定がつきました。」と言われ，2000円の値段がつきました。まぁ，値段が付いただけでも良しとしましょうか。 11月15日，多少いらつきもあり，久々に「ストレス発散の衝動買い！」で，RX10をネットで購入しました。Amazon マーケットプレイス上で，本体，レンズプロテクター，液晶保護フィルム，充電器・予備バッテリー，SDカードを購入したのですが１カ所では揃わず，本体がキタムラネット，レンズプロテクターとＳＤカードがAMAZON，充電器・予備バッテリーがビックカメラ，液晶保護フィルムがカメラ会館で購入というという，４カ所に分散しての購入になりました。一番早いので，AMAZONが明後日到着，あとは来週後半から再来週前半にかけて着く予定だったのですが，全ての物が次の日に発送され，申し込んで２日後の17日午前中には到着しました。 そういえば，同じようにAmazon マーケットプレイスでGRを三星カメラで購入した時も，４〜５日かかると最初はなっていたのに，翌日届いたので，結構余裕を見て最初知らせているのかもしれません。 実はRX10が，初のSONY製のカメラです。私自身，SONY運が悪い人間で，購入したSONY製品の内，WALKMAN以外は全てあの都市伝説とも言われている「ソニータイマー」が発動し，１年の保証期間が過ぎると壊れだし，何回か修理に出しているうちに３年もすると修理してもなおらず破棄する運命に…。ちなみに「ソニータイマー」が発動したのは，初代ドデカホーンCD(CFD-D77)，?代目ドデカホーンCD(CFD-900)，VHSビデオデッキ２台，Hi-MD用ラジカセです。不思議と，WALKMANだけは「ソニータイマー」が発動しません。そのため，WALKMAN以外のSONY製品は避けてきました。 ただ今回は，SONY製と言うより，今は亡きミノルタのゾンビがSONYの力を借りて復活した，最新版MINOLTA DiMAGE A3と思って購入しました。まぁ，値段は…。発売直後なので安くはないですが，あんなものでしょう。ちなみに，10年前に購入したDiMAGE A1（RX10のご先祖様）の時とほぼ同じ値段です。あと，レンズプロテクターは純正のMCプロテクター（VF-62MPAM）を購入しました。割高なのは分かっていたのですが，カールツァイス「T＊コーティング」に惹かれて購入しました。 〜Cyber-shot DSC-RX10の使用感〜
DSC-RX10を使用しての感想！ 最近の私の撮影スタイルは，デジタル一眼レフでもミラーレス，コンデジでも一緒です。そのスタイルというのは，
撮影しての感想としては，使いやすいカメラです。DiMAGE AシリーズやX-S1を使っているので，一応このようなカメラの用途は分かっているつもりです。不満を２つだけ挙げるとすれば，まずは「手動ズームではなく電動ズーム」という所でしょうね。一応，ＡＦ時にはマニュアルリングが疑似（電動による）手動ズーム風味になるのですが，手動ズームのようにキビキビと動かず違和感を感じます。この点が残念ですね。もう一つは，電池の持ちが悪いという所です。本体に対して小さな電池なので仕方がないですが，RAW+JPEGで200枚程度撮ったところ，電池残量が40％切ってしまいました。旅行や多くのシャッターを切るような撮影の時（１日に多いと400枚以上撮る時もあるので…(^_^)）は予備電池が必携ですね。 後は概ね満足しています。「ＡＦの速度がイマイチ」「ノイズが思ったより多い」という意見も見受けられますが，フルサイズなどの一眼レフと比べるのは酷でしょう。大きめの素子（1.0型裏面照射型CMOS）に日常に使うのにちょうどいい焦点域を網羅したレンズを搭載したコンデジ！旅カメラや日常の撮影だけでなく，作品作りにも（条件が良ければ）使えるカメラと考えれば，かなりの性能だと思います。このような高性能便利カメラは，そう言う物だと理解して使うものだと私は思っています。 私自身，EOS 5DUと5DVを持っていますが，5DシリーズにF2.8通しで24-200mmのレンズと同じ焦点域を撮ろうと思うと，大三元の24-70mmと70-200mmISの組み合わせが必要になります。これだと，RX10の約４倍の重さになり，持ち歩くだけで重労働です。RX10はでかいという意見もありますが，このように考えれば小型軽量だと思います。 ご先祖様のDiMAGE Aシリーズと比べると，Aシリーズの操作性の良さと，機能面のもの凄い進歩を感じられます。全ての部分でレスポンスが違います。そこは，デジカメの世界の10年間の驚きの進歩としか言えません。X-S1と比べると，操作性はRX10ですね。ただ，同じ「ネオ一眼機」でも，色合いや方向性が違うので，どちらが良いか悪いかというのは言えないと思います。それぞれの得意分野が全く違い，力が発揮出来るフィールドが違うので…。 正直言うと，自分が撮影に使う全領域を，このカメラ1台ですべて完結出来てしまいます。それも，小型軽量で結構高い次元で…。このカメラさえあれば，舞台撮影用にEOS 5DVさえ残しておけば，あとは要らないと言っても良いかもしれません。（まぁ，今あるカメラには，それぞれ役割や趣味の部分もあるので手放しはしませんが…。）ただ，デジタル一眼レフカメラをほとんど使わなくなり，防湿庫の肥やし状態になるかもしれませんね…。それだけの実力とバランスを持ったカメラです。 ２０１３．１１．２９ |
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